ニューカッスル・ダラム英語勉強会

イングランドのニューカッスル大学およびダラム大学に留学に来ている日本人達による英語学習の一篇。

blanket

んー、この表現は知らなかったです。今話題の香港の民主派のデモのニュースから。


The Revolution Will Not Be Instagrammed

As Hong Kong's streets rock with protests and what many feel is a draconian police response, Chinese cyberspace is erupting with bitter complaints about yet another instance of blanket censorship. On Sept. 28, Chinese web users were furious over the shutdown of popular photo-sharing service Instagram, which went suddenly offline in China following the eruption of pro-democracy protests in the special autonomous region of Hong Kong that police tried to quell by volleying tear gas at the crowds.

赤字のblanket。名詞では「ブランケット、一面に覆うもの」なんて出てきます。実は動詞もあって「毛布でおおう;一面に覆う(with)」なんて意味があります。そして今回使われている形容詞ですと「《名詞の前で》例外なしの、全面的な〈意見・禁止・規制〉、すべての人を対象とした、包括的な、差別なしの」とあります(『ウィズダム英和』初版)。

やはり面白いのはblanketにネガティブなニュアンスが備わっていて、「何かを隠す」という行為を感じられることです。例えば、Pocket Oxford Dictinaryの第三版(1939年のおじいさん辞書!)では動詞の意味の中に"cover with; (colloq.) stifle, keep quiet, (scandal, question); toss in blanket as punishment"とあります。Oxford Dictionary of Englishですと形容詞で"covering all cases or instances"、動詞で"cover completely with a thick layer of something"とあります。もうちょっとわかりやすいのを見てみると『ウィズダム英和』では「〈比喩的に〉(単数形で)《絶望や沈黙などの》広がり(of)」とあります。こちらの方は現在のどの辞書にも見られる用例でしょう。

もうちょっと調べてみると、blanketは見た感じblankと似ていますね。blankの語源は、皆さんもご存知の通りフランス語のblancです。白という意味ですね。そのblancがblanquet (白いウールのもの)になり、ドイツ語に伝わりblanketになりました。英語のblankもちょっと空虚なニュアンスがありますね。

ここで本文に戻ってみると、「中国本土の全域に渡る検閲」と訳すにはもったいないくらいの余白があることに気付きます。とにかくここで感じられるのは、簡単には抜け出せないような検閲の霧がもう一度中国本土を覆ったことです。

そうそう見出しはあるソウル・シンガーでポエトリー・リーダーの名盤から。超名曲なので一聴の価値ありです。The revolution will not be televised!

Yusuke